インフルエンザを取り巻く異常行動の原因について

2007年にインフルエンザの対抗薬としての地位を得ていたタミフルによる異常行動が問題視されたことは
まだ記憶に新しいと思います。小児への投与を規制することとなり、それまでインフルエンザの症状改善のためのツールであった
タミフルはまるで悪影響の塊のような扱いを受けることとなりました。当時から憶測のみで厚生労働省がタミフルを販売したいから
異常行動の引き金となることを容認する、自らの利権のためだけにタミフル利用が規制されていなかったなどの
報道が錯綜していた時期がありました。それは真実では無いのかも知れませんが、
しかしあくまでも噂にのみ支配された情報に日本中が踊らされたことは事実です。
当時からわかっていたことですが、事実としてタミフルを投与されていないインフルエンザ患者が異常行動を起こしたという報告が
ありました。これは、本来であればタミフルと異常行動の関連性の低さを表す証拠に成り得るはずですが、
当時のメディアを含めた世論が騒ぎ立てたことにより「実害」が注目されることとなりました。

しかし、果たしてそれは正しいのでしょうか?先述したように、
事実としてタミフルの投与がない状態のインフルエンザ患者が異常行動を起こしたというケースがあります。
これによる身体的な被害も出ていますが、それはインフルエンザウイルスが引き起こした急激な神経異常、
つまり「インフルエンザ脳症」が原因とされています。このタミフルによるとされる異常行動とインフルエンザウイルスが原因とされる
異常行動、この両者にどれほどの違いがあるのでしょうか。私自身は、それほどの違いがあるとは考えることが出来ません。
タミフルの規制後、新たな抗インフルエンザ薬として「リレンザ」が登場しました。
これは錠剤タイプの薬ではなく吸引タイプの薬品ですが、
インフルエンザの症状を軽減させる能力はタミフル以上であるとされています。
ところが、同時に異常行動の発生率もタミフルを上回っているという報道が最近されてきました。
果たして、この報道は正しいのでしょうか?

根本的な問題として、異常行動の原因が薬害であるのか病気の症状かが判別できていない、
という点が大きな障害になっていると思われます。このままだと、インフルエンザに対しての新たな治療法が見つかったとして、
異常行動との関連性のなさが証明できなければタミフルのように規制され続けることになりかねません。
まずは新薬開発もそうですが、異常行動の原因を突き止めないことには規制と開発のイタチゴッコになってしまいます。
製薬と医療機関の差異はありますが、その両者が協力するべき問題であると提起します。