アデムパス

アデムパスは慢性血栓塞栓性肺高血圧症の治療薬です。

まず、慢性血栓塞栓性肺高血圧症について説明します。
この疾患は国内では患者数が1500人前後の難病に指定されています。

慢性血栓塞栓性肺高血圧症は、特定疾患治療研究に指定されている疾患です。
これは血栓が肺動脈に生じてしまう病気で、ここに血栓ができてしまうと肺高血圧となり、放っておくと心不全を起こしてしまう疾患なのです。
症状としては、息切れ、呼吸困難、疲れやすく疲労が取れない、胸の痛みなどがあります。

これらが進行すると数年かからないうちに歩行すら困難となるのです。

治療法として

この難病の基本的な治療方法は、肺動脈血栓内膜摘出術(PEA)という外科手術を行なうことが最善とされています。
最善という言い方をするのは、多くの患者が体力的にこの外科手術が不可能であり、また一部の患者には手術をしても再発してしまうということで手術自体の必要性が問われている状況なのです。

治療薬として2014年4月から認可された、アデムパスですが一般名はリオシグアトと呼ばれています。
上述の手術が不適応となった場合、とはいってもそういう患者がほとんどなのですが、巫術不適応または、術後に持続あるいは再発がみられる、慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対する治療薬なのです。

アデムパスは経口の治療薬でsGC(可溶性グアニル酸シクラーゼ)を刺激することで血管を拡張してその作用を発現していくのです。
慢性血栓塞栓性肺高血圧症の患者は1500人という少数ですから、アデムパスも希少疾病用医薬品に指定されています。
希有な難病ですから、この指定を受けると、製薬会社は研究開発のための助成金が交付されます。
また、他の薬品よりも優先して承認審査が行なわれるなどのメリットを受けることができるのです。

用法と用量

成人には1回1mgを1日に3回の経口投与となり、これがスタートラインとなります。
この投与を2週間続けることで、収縮期血圧が95mmhg以上で低血圧症状を発現しない場合に、2週間間隔で、1回の用量を0.5mgずつ増やしていきます。
これで最高の用量は1回2.5mgを1日に3回の服用となります。

注意点

高齢者への投与は当然ですが慎重に行なわなければいけません。
血中濃度の上昇が認められる場合が多いので、用量調節器においては患者の状態を観察しながら慎重に投与を継続していきます。
禁忌事項としては妊婦、産婦、授乳婦への投与、並びに新生児、乳児、幼児への投与は禁止されています。

アデムパスを投与した世界で490例中304例で副作用が認められています。
主なものとして、頭痛、消化不良、めまい、低血圧などがあります。
これらはいずれも軽い副作用であり、わずかですが重大な副作用も確認されています。
主なものとして、喀血、肺出血があります。この2例においては重度の副作用ですから、発症した場合は直ちに適切な処置をすることが求められます。